放送から25年!超魔神龍神丸初プラモデル化

 魔神英雄伝ワタルのテレビシリーズ3作品目として制作された『超魔神英雄伝ワタル』。放送から25年経ち、とうとうプラモデルとして発売された。

 2022年1月7日に『七魂の龍神丸』が3週間限定で映画館にて上映される等、ここにきて様々な企画が動きだしている。プラモデル化されたのが『超魔神英雄伝』というのも意外だったが、超魔神龍神丸が商品化されたのは驚き。今回はその超魔神龍神丸を紹介します。

独特なフォルム。ビックリマンチョコがモチーフ?

 『魔神英雄伝ワタル』に登場するメカはどれも独特なフォルムが魅力。いわゆるSDスタイルですが、ガンダムと違ったバランスでまとめられていて、同作の『おもしろカッコイイ』のキャッチフレーズを体現しているデザインと言えます。

 デザインの打ち合わせ段階で、当時流行っていた『ビックリマンチョコ』に登場するキャラのように『顔』を中心にデザインする事が決まり、この独特なフォルムが生まれたそうです。

 特にシリーズ1作目にあたる『魔神英雄伝ワタル』に登場する戦神丸がシリーズの特徴的なデザインを色濃く反映していると思います。

アニメ作画でも動かしにくいと言われた超魔神龍神丸。どこまで可動する?

 主人公機という事もあり、特徴的なフォルムを抑え気味にデザインされているとはいえ、『けれんみ』だらけの超魔神龍神丸。このデザイン、当時はアニメの作画でも動かしづらいとされ、劇中でもポージングがしっかり決まらないという話もあったぐらい。可動モデルに向いてないデザインですが、しっかり可動します。

 元の設定画と見比べると、プラモデル化にあたりバランス変更もされているかと思われます。

引き出し関節可動が搭載

 まず、肩から腕にかけての可動ですが、引き出し可動によってかなり動くように設計されています。

 今回の一押しとも言える可動部で、関節が伸びるようにせり出せる事で、両手で剣を持つポーズも可能となっています。

気になっていた膝可動

 思わずおおっ!と驚いたのが膝の可動。あまり動かないだろうなと思っていたのですが、このデザインでかなりしっかり曲がります。

 太もも後ろ側の曲線を強くする事で、脚部の干渉を避けるように設計されていて、個人的には『曲がるという事』にバンダイのこだわりを感じた部分でした。

タカラ時代

 魔神英雄伝ワタルがスタートした時はタカラ(現タカラトミー)がスポンサーを務め、プラモデルもシリーズ展開されていました。

 このシリーズはプラクション(プラスチックモデル+アクション)と呼ばれ、1988年からスタート。塗装済みパーツや蓄光シール、はたまた弾痕や刀傷、へこみなどの破損状態が造形されたパーツがある等、キットによって面白いしかけが施され、500円程度で手に入る満足度の高いものでした。

 その後、魔神英雄伝ワタルのスポンサーがタカラからバンダイに変わり、このプラクションシリーズも後にバンダイから再販されています。

タカラ時代との違い

 価格は置いておいて、子供向きのキットから大人向けのキットになった事でしょうか。この超魔神龍神丸、各パーツのエッジがかなりとんがっています。対象年齢15歳以上に引き上げられており、子供が1人で作るにはちょっと危ないかもしれません。

 意見が割れるかと思いますが、最近のバンダイはなんでも頑張りすぎだと感じています。パーツを尖らせるあたりはユーザーに任せても良かったのではと。デザインを大切に作られている点は流石のバンダイなのですが、タカラ時代のプラクションのような『面白いしかけ』があった方がよりワタル的で、個人的にはちょっと懐かしい気持ちが味わえたかなと。

 大人をエンドユーザーに選ぶコンセプトを否定するわけではないですが、『魔神英雄伝ワタル』が持つ子供が楽しめるスペースを確保したプラモデルも有りではないでしょうか。  

 良くも悪くもガンプラで培った技術やコンセプトを取り入れ過ぎているというのが素直な感想でした。

とは言えですよ!

 そもそも『魔神英雄伝ワタル』は放送が終了してからも、様々な企画が立ち上がりは消えるといった流れが定番。『超魔神英雄伝ワタル』が放送されていた当時も、ガチャガチャや完成品のフィギュアは商品化されていましたが、プラモデルはほぼ日の目を見ず、メッキマシーンというプラモデルシリーズから一部の魔神がキット化されるだけに留まりました。それが、ここに来て龍神丸の最終形態がキット化されたのは驚きで、即購入予約したのも事実です。

 キット自体も再現性が高く、独特な特徴を良く捉えていると感じました。長い尻尾もリード線が入る構造でしなやかな可動が再現でき、パーツ分割までされています。

 ネクスエッジスタイルからも龍神丸の新商品が発売され、マックスファクトリーからもメタルジャケット仕様の魔神が次々に商品化されています。  

 このタイミングで超魔神龍神丸を商品化した事は、『ガンプラ』だけじゃないバンダイのプラモデルをアピールするのにピッタリな商品だったと思います。

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